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【働く博物館】能勢電鉄の旅と魅力

※本文中の情報は取材日のものです。できるだけ最新の情報に更新するよう努めてまいりますが、お出かけの際には各自で最新情報をお調べいただきますようお願い申し上げます。

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宝塚線の急行は阪急大阪梅田駅の4号線から発車

阪急大阪梅田駅から宝塚行きの急行に乗車すると21分。川西能勢口駅という駅に到着します。

川西能勢口駅の宝塚方面の列車が到着する1号線から階段を降りてコンコースへ降り、そこからエスカレーターで3, 4号線ホームへ。

そこからは昔懐かしい少し焦げたような匂いが漂ってきます。3号線は宝塚線の大阪梅田方面、そして4号線から発着するのは今回の主役、能勢電鉄です。

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能勢電鉄

 阪急電車と何ら変わりないじゃないか…というか何が違うの…?

実は能勢電鉄で使用されている車両は全て元阪急電鉄の車両。基本的に元神戸線宝塚線の車両が使用されます。写真の1700系電車は元阪急2000系。写真の1755号車は1962年12月に竣工し現在でも現役。御年57歳。

20年ほど前までは割と派手目な能勢電オリジナルカラーに塗装されていたのですが、検査時の費用節約(能勢電の車両は阪急の車庫で大規模な検査を行う)のためか、阪急電車と同じ塗装にされてしまいました。内装も一部の車両を除きほとんど阪急時代のままですので、川西能勢口駅阪急宝塚線と対面で停車するためか乗り間違える方が一定数いるそうです。

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車内に掲示されている銘板

車内に掲げられている銘板には昭和37年の文字が。

東海道新幹線開業は昭和39年ですからそれよりも前から活躍していたということ。路面電車では構造が比較的単純なことから50年以上使用され続けるのは普通のことですが、大手私鉄の車両がここまで生き残り続けるのはかなり稀なことです。高度経済成長期の頃を今に伝えてくれます。まさに能勢電鉄は「動く博物館」いや、今でもバリバリ現役ですから「働く博物館」です。

 

能勢電鉄能勢妙見堂の参詣客輸送と、沿線で産出される三白(酒、米、寒天)・三黒(黒牛、栗、炭)などの特産物の輸送を目的として開業しました。しかし、現在の最も大きな役割は地域輸送。川西能勢口駅を出発し鶯の森駅までは比較的平坦です。鶯の森駅からはトンネルや鉄橋などもいくつか存在しますが、山下駅までは住宅が多数立ち並びます。阪急宝塚線の支線としての役割が強いということを印象付けます。

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畦野駅を発車する列車。背後にはマンションが確認できる。

私事となりますが、約10年ほど前まで私はこの山下駅近くの住宅地に住んでいまして、能勢電は私の鉄道好きの原点とも言える鉄道会社です。能勢電の楽しさが私の幼心を刺激したのでしょうか、それ以降様々な鉄道に乗り、私の鉄道への興味を成熟させていったようです。当時の私にとっては目的の鉄道ではなく始まりの鉄道だったわけですが…引っ越した今でも年に1回程度は乗りに行くような魅力的な鉄道です。

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山下駅に停車中の日生中央行きの列車

さて、話がそれましたが山下駅日生線との分岐駅でもあります。

日生線日本生命保険と新星和不動産が開発した日生ニュータウンへのアクセス路線として開通しました。路線の34パーセントがトンネルで残りの部分の大半は高架線のため、踏切は一つもありません。モーターを響かせてかなりの高速度で駆け抜けていきます。

 

山下ー日生中央と後述する山下ー妙見口では2両編成(検査時などで時により4両編成)で区間列車が運転されています。これは川西能勢口からの直通列車は妙見口行きと日生中央行きの交互に運転されているのでこの区間の利便性を保つためのもの。この区間専用の2両編成の車両には、かつて能勢電鉄を走行していた車両の能勢電オリジナル塗装がされています。

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50形風の塗装をされた専用車両

 

打って変わって川西能勢口から続く妙見線は山下駅を過ぎるとトンネルを抜け、里山の風景の中を走ることになります。

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妙見線からの車窓

周りには田畑が広がる区間もあれば森林の中を走り抜ける区間、トンネルなども沢山あります。山岳鉄道のような趣を感じる区間でもあります。途中には閑静な住宅街への最寄り駅もありますが、車内からはあまりその住宅街の雰囲気を感じることはできません。

終点の妙見口駅の周辺にはのどかな里山の風景が広がります。妙見口駅大阪府最北の駅であり、妙見の森ケーブルやリフトの乗り換えの駅として妙見山の頂上へ向かう客が多数利用します。

妙見の森は能勢妙見堂のほかにバーベキューができる場所やハイキングコースなどが家族で来て楽しめる施設などが沢山あります。

noseden.hankyu.co.jp

 

高架線もあり山あり鉄橋ありと様々な変化に富み、かつては阪急電鉄で活躍し50年以上走り続ける車両が残る能勢電鉄。ご家族と、ご友人と、おひとりさまでも。ぜひ能勢妙見の旅をお楽しみください。

 

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