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【加悦鉄道の貴重な資料や道具類を展示】加悦鉄道資料館 2020/3/29 加悦⑦

※本文中の情報は取材日のものです。できるだけ最新の情報に更新するよう努めてまいりますが、お出かけの際には各自で最新情報をお調べいただきますようお願い申し上げます。

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目次

 

 

加悦鉄道資料館とは

加悦鉄道は1926年に開業し、沿線の住民や丹後ちりめん、ニッケル鉱石を輸送してきました。ところが、ニッケル鉱石の輸送が終了したこととモータリゼーションの影響から1985年に廃線されました。

廃線後、明治・大正時代に製造された古典蒸気機関車や小型2軸客車、旧型客車から気動車に改造されたキハ08形など、鉄道ファンを多数集めました。会社側もそのことを意識するようになり、次第に観光鉄道を目指すようになりました。そこで、加悦駅の構内に休車となった蒸気機関車や木造客車を展示し、1977 年に「加悦SLの広場」として営業を開始しました。

1985年の加悦鉄道廃線後も引き続き営業していたものの、1996年には与謝野町加悦庁舎を加悦駅跡に設置することになり、大江山鉱山跡の現在の場所に「加悦SL広場」として展示していた車両と一部展示資料を移転しました。

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加悦駅舎を活用した加悦鉄道資料館

しかし、加悦駅舎はそのままの場所に残されることになり、室内を改装して加悦鉄道資料館として活用することになりました。ここには加悦鉄道に関する貴重な資料の数々が保管されています。

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屋外には腕木式信号機の展示が

鉄道の保存に関して、車両は保存されることは比較的多いですが資料となるとなかなか保存されていないのが現状です。ましてや、廃線になった鉄道の資料となるとほとんど残されていなかったりします。ところが、この加悦鉄道資料館とはというと加悦鉄道の文献、道具類に至るまで様々なものが保存されています。また、国鉄で使用されていた道具類も一部展示されるなど、鉄道に関する資料を多数見学することが出来ます。

しかも、この展示内容で入館料は無料といいますから驚きです。

なお、2020年3月末日をもって「加悦SL広場」は閉園しましたが、こちらの加悦鉄道資料館は引き続き営業されるそうです。加悦SL広場で保存されていた資料や車両がこちらに移設される計画もありますが、まだはっきりしたことは分からないようです。

 

資料館の展示物を一部紹介

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加悦駅のジオラマ

当時の加悦駅の様子。左側が丹後山田(現在の与謝野駅)、右側が大江山鉱山方面になります。

転車台を囲む一帯に加悦鉄道で使用後、展示されていた客車や蒸気機関車などがあります。この場所が「加悦SLの広場」と呼ばれていた場所になります。

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加悦駅の配線

当時の加悦駅構内図と現在の建物の位置を重ね合わせたものです。

加悦駅舎は180°回転し現在の場所に移転しました。主に車庫として使用されていた場所が加悦庁舎に転用されています。

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準急 丹後のヘッドマーク

現在の京都から京都丹後鉄道宮福線を経由して天橋立や東舞鶴へ向かう列車として活躍していました。1966年には急行に格上げされましたが、1996年には廃止されました。

ヘッドマークには天橋立の松並木をイメージしたデザインになっています。

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加悦鉄道で使用されていた道具類

解体した車両から取り外した部品などが所狭しと並べられています。手で取るように並べられているのが特徴です。

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連動装置

腕木式信号機と分岐器(ポイント)を連動させるための装置です。JR線や私鉄線ではほとんど見ることができない腕木式信号機に関する装置の展示など、このような地域密着型鉄道ならではの展示があります。

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蒸気機関車用汽笛

蒸気機関車から取り外した汽笛を展示しています。汽笛をじっくり観察することが出来ます。

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右二つは気動車用の物

気動車用の物も展示しています。タイフォンとホイッスルという2種類の汽笛についてみることが出来ます。特にタイフォンはなかなか見ることが出来ない場所に設置されていることが多いので、私は初めて目にすることになりました。また、ホイッスルは通常カバーに覆われているので、ホイッスル自体を見たことも初めてです。なかなか見ることが出来ない展示品が多数あります。

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保線器具類

加悦鉄道で使用されていた保線用の器具の展示もあります。

現在では機械に頼った保線工事が行われていることも多いですが、かつては全て手作業で行われていました。

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温度計

温度計は日本国有鉄道の文字が入ったものが、温度計として普通に使用されていました。展示品としての役割も兼ねているのかもしれませんが、温度計として活用されていて驚きました。

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運賃表

元待合室の場所には加悦駅からの運賃表が展示されていました。国鉄線(当時は鉄道省)への連絡運賃が大半を占めているのが面白いところ。加悦鉄道線内運賃は左下に所狭しと書かれています。加悦鉄道線内利用よりも国鉄線へそのまま乗り継ぐ方が多かったのかもしれません。最寄り駅を探してみてください。今より格安であることが分かります。当時とは物価が大きく違いますからね。

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加悦駅舎の裏手にはコンテナが保管されている

加悦駅舎の裏には国鉄コンテナが倉庫として保管されています。現在、JR貨物で使用されているコンテナはJRFのロゴが入った小豆色のコンテナですが、国鉄コンテナは写真のような緑色でした。

 

加悦鉄道保存会の方々による運営

加悦鉄道資料館はボランティア団体の加悦鐵道保存会の加悦SL広場に次ぐ第二の活動拠点として運営されています。

加悦鐵道保存会はこの加悦鉄道資料館のほかに3月末で閉園した「加悦SL広場」や京都丹後鉄道与謝野駅に併設されている丹後山田駅資料室でも活動を行われているそうです。

 

基本情報

名称 加悦鉄道資料館
所在地 〒629-2403 京都府与謝郡与謝野町字加悦433 旧加悦鉄道加悦駅舎
開館日 土曜・日曜・祝日 その他臨時に定める日 ※平日は休館
料金 無料
アクセス

京都丹後鉄道 与謝野駅から丹後海陸交通バス 与謝行または共栄高校前行 27分

JR/京都丹後鉄道 福知山駅北口から丹後海陸交通バス 傘松ケーブル下行 58分  いずれも「加悦庁舎」下車

時間 9:00~17:00
問い合わせ先 (0772)43-0232(開館中のみ)
HPアドレス

http://kayatetsu.web.fc2.com/museum.html

 

加悦庁舎の敷地内に転車台跡がある

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加悦駅構内にあった転車台跡

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転車台の跡地は広場になっている

加悦駅構内の転車台跡は加悦庁舎の敷地内になっており、現在は広場として転車台の形をしています。

転車台のそばから京都丹後鉄道与謝野駅まで加悦鉄道の廃線跡を転用したサイクリングロードが伸びています。

 

加悦の市街地を眺めつつ

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加悦の町並み

加悦の町は加悦鉄道が開業したことによって、またちりめん輸送やニッケル鉱石の発掘によって、町が大きく発展することが出来たようです。加悦鉄道と加悦の町は密接に関係しながらその歴史を歩んできました。

ニッケル鉱石の輸送や丹後ちりめんといった加悦の産業において重要な役割を果たしてきました。

1985年の廃線から35年。加悦鉄道の歴史を今に伝える施設もこの加悦鉄道資料館と与謝野駅併設の丹後山田駅資料室だけになってしまいました。ちりめん輸送やニッケル鉱石の輸送を通じて日本の発展に貢献してきました。そのような加悦の町のことを今後とも府内外共にアピールしていかなければならないと実感した限りです。

みなさんもぜひ、加悦鉄道資料館に訪れて加悦の町の歴史に触れていただけたらなと思います。

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