【小型ディーゼル機関車の宝庫】加悦SL広場で保存されているディーゼル機関車 2020/3/29 加悦④
加悦鉄道関連記事一覧
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目次
- 加悦鉄道関連記事一覧
- キハ101と並ぶ数少ない自社発注のDB201
- 川崎出身のディーゼル機関車 DB201
- 八戸市からやってきたDC351
- ラッセルヘッドが特徴 TMC100BS 排雪モーターカー
- 産業用ディーゼル機関車 KD-4
- 特徴的な機関車たちと接して
前回の記事では加悦鉄道で使用された気動車について紹介したが、今回は加悦SL広場で保存されているディーゼル機関車について紹介する。
キハ101と並ぶ数少ない自社発注のDB201
DB201は、1953年に森製作所で造られた、動軸2軸のロッド式ディーゼル機関車。森製作所は蒸気機関車の足回りを再利用して、ディーゼル機関車に改造する工事を得意としていたが、加悦鉄道DB201は、足回りも含めて新しく造られた。日本のディーゼル機関車では最初期の車輌で、エンジンはバス・トラック用のものを使用し、変速機はキハ101と同じく機械式。
加悦鉄道では貨客両方ともしようされていたようで幅広い活躍を見せていたようだ。
この車両は加悦鉄道再現列車としても使用されている。詳しいこの車両については以下記事で紹介しているのでそちらをご閲覧いただきたい。
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川崎出身のディーゼル機関車 DB201
1968年に日立製作所で造られた、動軸2軸のロッド式ディーゼル機関車。日本冶金工業川崎製造所で1984年まで使われていた。1991年、加悦鉄道の後身に当たる旧カヤ興産(現宮津海陸運輸)が、加悦駅跡地の「加悦SLの広場」入換用に譲り受けた。このため日本冶金所有車輌だが、加悦鉄道線で運転されたことはない。入れ換えに便利なように運転席は横向きになっている。
加悦鉄道と日本冶金工業は関連会社なので同じロゴマークを使用しているため、加悦鉄道のマークをつけておきながら加悦鉄道を走ったことがないという面白い存在である。
八戸市からやってきたDC351
汽車製造で1956年に造られた、動軸3軸のロッド式ディーゼル機関車。青森県八戸市の南部鉄道で使われていたが、1967年、日本冶金工業が譲り受け、加悦鉄道が借り入れて使用した。本線用のディーゼル機関車黎明期の車輌と言え、この機関車で初めて採用されたDS1.2/1.35液体式変速機は、後に国鉄DD13形に採用された。
加悦SL広場に保存されている唯一の三軸駆動のディーゼル機関車である。
ラッセルヘッドが特徴 TMC100BS 排雪モーターカー
モーターカーなのでディーゼル機関車に含めるのが適切かどうかは分からないが、加悦鉄道保存会のホームページではディーゼル機関車として紹介されているので、ここでもディーゼル機関車として紹介させていただく。
1961年に富士重工業で造られた排雪モーターカーで、ラッセル式の除雪装置を備えている。国鉄福知山機関区に配属され、1978年に加悦鉄道が譲り受けた。加悦鉄道廃線まで保線作業、除雪作業に活躍したほか、廃線後は加悦SLの広場(旧加悦駅構内)の車輌入換に使われた。現在も動態車輌。
床下に油圧ジャッキと転車台を備えており、車輌を持ち上げて方向転換することができる。
排雪ウイングは左右に広がる。なお、ラッセルヘッドを取り外すと通常のモーターカーの形態になる。
運転台はこんな感じ。
左側は排雪ウイングを操作する場所で右側が運転台のように思われる。
産業用ディーゼル機関車 KD-4
1956年に加藤製作所で造られた産業用のディーゼル機関車。日本通運が購入し山陽本線万富駅(岡山県)のキリンビール専用線で使われた。1971年に岡山駅の日本専売公社専用線に転属、1976年に廃車となった。
廃車となった後、岡山県のジーンズ工場で看板代わりに展示されていたが、次第に荒廃が進んでいた。1999年に加悦鐵道保存会が譲り受け加悦SL広場へ搬入、製造元である加藤製作所から名前を取って「カトー君」の愛称をつけ展示した。
日産の2ストロークエンジンに目を付けたことから2008年に動態復元された。
手ブレーキしか装備していないのが特徴でエンジンのほかチェーンによる駆動など産業用ディーゼル機関車としての価値は非常に高い。
特徴的な機関車たちと接して
加悦SL広場にはこれら5両のディーゼル機関車が保存されている。
3両のロッド式ディーゼル機関車、1両の排雪モーターカー、1両の産業用ディーゼル機関車。
うち2両は加悦鉄道で客車列車や貨物列車をけん引し、1両は関連会社の工場で入れ換え用に活躍し、1両は豪雪地帯である丹後地区の安全運行のために従事し、1両は岡山で産業用ディーゼル機関車として活躍してきた。
それら5両がこの加悦Sl広場で安住の地を手にしていた。
このような貴重な小型のディーゼル機関車を一度に複数目にすることが出来る場所はかなり珍しいのではないだろうか。
文化的にも工業的にもかなり価値の高い機関車たち。これからも大切に保存してほしいと願うばかりである。