鉄道ファンが行くお出かけ雑記

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出雲観光のススメ 2020/8/5-7 島根③

※本文中の情報は取材日のものです。できるだけ最新の情報に更新するよう努めてまいりますが、お出かけの際には各自で最新情報をお調べいただきますようお願い申し上げます。

神話の国として知られる出雲。

9月11日に運行開始された「WEST EXPRESS 銀河」は11月までの3か月間は京都・大阪~出雲市間で運行されます。

8月初頭に家族と出雲市方面へ旅行に行ってきましたので、今回は出雲での観光スポットを一挙紹介します。WEST EXPRESS 銀河に乗車予定の方、そうでない方も、必見ですよー。

 

目次

 

出雲市で「サンライズ出雲」を観察

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サンライズ出雲(写真は松江駅で撮影)

「WEST EXPRESS 銀河」は出雲市に9:31に到着します。ちなみに東京方面からの「サンライズ出雲」の到着は9:58。関西圏の方にとっては深夜に通過してしまうのであまり縁のない「サンライズ出雲」をじっくり観察することのできる機会にもなります。

ちなみに上り列車の発車時刻は16:00で「サンライズ出雲」の発車時刻は18:51。「サンライズ出雲」は「WEST EXPRESS 銀河」を備中高梁で追い抜かすようなので、出雲市ではなく備中高梁で撮影が可能ですね(「WEST EXPRESS 銀河」に乗り遅れても最悪「サンライズ出雲」で追いつける…)。

 

出雲大社へは一畑電車

出雲市駅から出雲大社へは少し距離が離れているので路線バスまたは一畑電車で移動する必要があります。路線バス、一畑電車共に所要時間は20分程度。そこまで差が無いので一畑電車で向かうのがおすすめです。

後程詳しく説明しますが...サイクリングも鉄道好きにはおすすめ。(諸事情により)サイクリングコースが整備されているので自転車で出雲大社へ向かうことも可能です。出雲大社まで10km、レンタサイクルで向かうのも良いですね。

 

さて、私は電鉄出雲市駅から一畑電車を利用して向かいましたよ。

※復路で利用したときの様子も含めて紹介していますので、私が実際に利用したものとは異なります。

「ご縁電車しまねっこⅡ」に乗って出発進行!

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電鉄出雲市駅に停車中の1000系「ご縁電車しまねっこⅡ」

一畑電車で使用されるのは一部を除いて関東圏で通勤電車として使用された車両。写真の1000系は元東急1000系東急東横線東京メトロ日比谷線で使用されていました。

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車内の様子

車内はワンマン対応改造されている点や先頭車化改造されている点を除いて東急時代の雰囲気をかなりよく残していると思います。東急独自のモケットのパターンなども現役です。…実は私、東急電車に乗車したことはないのですが。

乗車した1003編成は「ご縁電車しまねっこⅡ」として装飾が取り付けられています(床のあみだくじなど)。

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しまねっこも乗っている

図々しく座っているマスコットは島根県ゆるキャラしまねっこ。な、何と座席一人分を占領しています。ラッシュ時には迷惑な存在。それに新型コロナウイルス流行中の今、マスクを着けて乗車しないと...マスクについては賛否両論がありますが...。

と、うじゃうじゃ言っていますが、観光客にとっては可愛い癒しの存在ですね。

 

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1000系(右)はデハ50形の塗装を纏った車両もある

1000系は「ご縁電車しまねっこⅡ」以外に2編成存在し、これらの車両はデハ二50形(後述)と同じ塗装を纏っています。

 

川跡駅大社線に乗り換え

電鉄出雲市駅から松江しんじ湖温泉行きに乗車します。電鉄出雲市から松江しんじ湖温泉を結ぶのは北松江線という路線なのですが、北松江線出雲大社前駅へは行ってくれません。そのため、川跡駅大社線に乗り換える必要があります。一日に数本、電鉄出雲市駅松江しんじ湖温泉駅出雲大社前駅を結ぶ直通列車が運行されていますが、本数が少ないのでほとんどの場合は川跡駅で乗り換えが必要になります。

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川跡駅では3列車が同時に並ぶ

川跡駅では乗り継ぎの便を図るため、3方向(電鉄出雲市行き、松江しんじ湖温泉行き、出雲大社前行き)の列車が同時に発着します。

 

小田急ロマンスカーの座席に座って出雲大社

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5000系電車

元京王5000系は一畑電車に6編成譲渡(うち1編成は廃車)されて活躍しています。そのうちの2編成は観光輸送を重視した5000系となっています。

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車内の様子

車内は2+1列のクロスシートが中心でドア付近にはロングシートを配しているセミクロスシートとなっています。

1人掛けのクロスシートはオリジナルの転換クロスシートですが、2人掛けのクロスシートに関しては小田急3100形NSEの回転クロスシートが使用されています。足元にペダルが無いタイプで背面を座面の方に少し倒すことで回転します。リクライニング機構はついていません。

5000系は2編成存在しますが、もう1編成は「しまねの木」として木を多用した車内に改装されています。

なお、5000系ではない元京王5000系は2100系電車として活躍しています(今回の旅では見ることが出来ませんでした、残念)。

 

出雲大社駅で日本最古級のデハ二50形を見学

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出雲大社前駅

出雲大社前駅に到着。駅舎は国の登録有形文化財や近代化産業遺産にも登録されています。

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デハ二50形

出雲大社前駅にはかつて一畑電車で活躍したデハ二50形が保存されています。

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車内を見学することができる

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運転台も見学することができる

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「カラオケ」はイベント用に改装された際に取り付けられた

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デハ二50形最大の特徴である手動扉も健在

デハ二50形は車庫のある雲州平田駅でも保存されていて体験運転もできます(要予約、有料。新型コロナウイルスの影響で休止中)。

 

大屋敷のような純和風の大社駅を見学

現在、鉄道で出雲大社へ行くには出雲市から一畑電車に乗車するしかありませんが、1990年まではJR大社線出雲市駅と出雲大社最寄りの大社駅の間を結んでいました。特定地方交通線第三次廃止対象線区として指定され廃止されるに至りました。かつては東京直通の急行列車や名古屋ー大社間の急行「大社」や大阪ー大社間の急行「だいせん」も運行されていましたが、末期は線内折り返しの普通列車のみの運行でした。

大社線の終点の駅である旧大社駅は廃線後も保存され、国の重要文化財と近代化産業遺産に指定されています。

 

旧大社駅へは出雲大社前駅を出て左(出雲大社と反対の方向)へ進みます。

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堀川を渡る

途中堀川を渡ります。この堀川、真ん中に仕切りの塀が設けられています。これは高浜川と古内藤川という二つの河川が合流していますが、水位が違うので間に仕切りが設置されているようです。写真でも水位の差が見て取れると思います。

 

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道路標識

10分くらい歩きますと、左手に旧大社駅が見えてきます。

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旧大社駅

標識のある道を曲がると旧大社駅が見えてきます。宮殿風造りで出雲大社をイメージして全国でも珍しい神社様式を取り入れています。

黒瓦をのせた重厚な駅舎は、中央に破風を備え、左右対称に広がる屋根には、棟の両端に鴟尾を、合掌部分に懸魚をあしらうなど、和風趣向が際立ちます。設計者は当時の神戸鉄道管理局技手の丹羽三雄で、建築界の先駆者、伊東忠太が関与したと思われるデザインが各所にあります。特に屋根の下り棟の先端には、亀のいろいろな動きを模した瓦が使われています。伊東は同時期に出雲大社神苑の整備設計に携わっており、駅舎建築に際して何らかの助言を行った可能性があると言われています。

この駅舎は二代目で初代の駅舎が手狭になってきたことから1924年に改築されました。

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駅舎はほぼ現役当時のまま残されています。駅舎正面は三等待合室として設計され、広い空間が広がります。赤字ローカル線の終着駅とは思えない雰囲気。当時の賑わいを想像させます。

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出札口

駅舎入って正面に出札口(切符売り場など)が広がります。内部には全盛期の様子を再現すべく人形が置かれています。

6角形の照明や窓口上部の庇などかなり凝った造りであることが分かります。左側に観光案内所の行燈式看板が設けられており、後年に出札場が移転することになるわけですがその時に設けられたものと思われます。観光案内所となったことでこのレトロな出札口は解体を免れたのですかね。

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切符売り場

左手には移設後の物と思われる切符売り場があります。「きっぷうりば」の文字が印象的です。

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旅館の案内

今では旅館やホテルの予約と言えばインターネットが一般的ですが、インターネットが普及するまでは電話予約が一般的でした。大社駅に着いてから宿泊地を決めるのにこの看板を参考にされた方と言うのも数多くいるでしょう。旅館の名称だけで決めるというのもなんとも難しい話ですよね。名前の印象だけで決めることなのでなかなか難しい。部屋の様子とかどんな料理が出るかとか全く分からないわけですから。

 

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ホームもそのまま残されている

駅舎を抜けるとホームが広がります。2面3線の国鉄の駅でありがちな構造をしていますが、大都市圏からの列車も発着していましたので長編成が十分対応できる長さになっています。

写真向かって奥が出雲市方面です。

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出雲大社の大鳥居が見える

終端側は3つの線路が一つに集まり入れ換えができるように線路がかなりの長さで伸びていたようです。大社駅のホームから出雲大社の大鳥居を眺めることができます。

大鳥居が見えると、出雲大社まで目と鼻の先のような気がしますが、実際はここから徒歩で20~25分ほどかかります。一畑電車出雲大社前駅から出雲大社までは15分程度。この差ってのはやはり大きいもので、大社線が赤字であったのもこれが原因の理由の一つかもしれません。徒歩20分って言われると少し果てしない感じがしますよね…。

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鉄板にはウサギと稲穂がデザインされている

大社駅には跨線橋はなくホームにある階段を降りて隣のホームへ行く仕組みでした。列車の入線時などに階段を塞いで線路に降りることができないようにしていたのがこの鉄板の役割でした。

因幡の白兎伝説にあやかってウサギと稲穂のデザインにしているのがなんともお茶目です。一般的にこのような鉄板は無地が基本なんですがね。ペイントではなく金属の加工によってデザインされているので今でも色あせずに残っています。

 

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D51 774号機が保存されている

旧大社駅のホーム上にはD51 774号機が保存されています。

廃車後は出雲大社の境内に保存されていましたが、2001年にこの旧大社駅に移設されました。この機関車は山陰本線蒸気営業運転最期を飾るなど山陰本線で大いに活躍した機関車であります。

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駅舎をホーム側から眺める

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臨時改札口

東京や大阪などからの長距離列車が発着する際などは通常の改札口だけでは処理しきることができないので横に臨時の改札口が設けられていました。長距離列車が到着したときには大量の観光客相手に出雲大社観光のためのツアーバスが多数待ち構えていたそうです。この臨時改札口の存在が旧大社駅の全盛期を忍ばせてくれます。

駅舎だけでなくこのような付帯設備まで保存してくれているのが、この旧大社駅の魅力ですね。

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駅名票

大社線の廃止は国鉄分割民営化後ですから、駅名票はJR西日本仕様のはず…なのですがなぜ国鉄仕様なのでしょうか?

 

基本情報

名称 旧大社駅
住所 島根県出雲市大社町北荒木441-3
電話番号 0853-53-2885
HPアドレス https://www.izumo-kankou.gr.jp/172
営業時間 9:00~17:00
休業日 2020年10月末から2025年度まで「旧大社駅保存修理事業」による建造物保存修理工事実施
料金 無料
トイレの有無 有り

 

 昼食は出雲そばを食べよう!

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出雲そば

日本三大蕎麦のうちの一つにも数えられる出雲そば。出雲に行けば必ずと言っていいほど目にします。

出雲そばの特徴的な食べ方として割子蕎麦があります。三段重ねとなったものが一般的で、別途薬味と出し汁の容器がついています。

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割子そば(二段目)

食べ方にも特徴があり、だし汁自体を器に入れ、その上に青ねぎ、海苔、大根おろしと鰹節などの薬味を載せて頂きます。三段重ねの場合、まず一番上の割子にだし汁を入れて蕎麦を食し、食べ終わったら残っただし汁を二段目にかけて食す、というふうに、だし汁を使い回しながら上から順に食べていきます。

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割子そば(3段目)

このため、三段目にもなると一段目と二段目の薬味が混ざり合い、より奥行きのある味わいになっていきます。

今回、私たちが食べましたのは、旧大社駅のすぐ目の前のお蕎麦屋さんです。このお蕎麦屋さん以外にも、沢山のお蕎麦屋さんが出雲大社周辺にありますので、気に入ったお店に入ってみましょう。

 

そして、いよいよ出雲大社

出雲市と言えばやはり出雲大社でしょう。前述の出雲大社前駅からは徒歩15分程度、旧大社駅からは25分程度かかります。

神門通りを通って出雲大社

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宇迦橋の大鳥居

神門通りの入り口、宇迦橋のたもとに立つ大鳥居です。高さは出雲大社御本殿より1m低い23m、柱の周囲6m、直径は2mの鉄筋コンクリートの鳥居で、中央の額は畳6畳敷きの大きさです。本殿までの計4基の鳥居のうち、ここが一の鳥居と呼ばれます。

この鳥居へは出雲大社前駅から出雲大社方面へ向かうと通ることができないので、少し反対側(旧大社駅の方)へ向かうことになります。

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神門通り

宇迦橋から勢溜の大鳥居まで700m続く出雲大社門前町です。先ほど紹介した名物の出雲そば出雲ぜんざいなどの食事処やカフェ、縁結びグッズなどのお土産屋などが立ち並びます。

 

出雲大社を参拝する!

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出雲大社

神門通りは上り坂になっていますので、坂道を登りきると出雲大社の境内に着きます。

この鳥居は勢溜(せいだまり)の鳥居と言って出雲大社に合計4基ある鳥居の二つ目の鳥居になります。高さ8.8m、横幅12mの鋼製の大鳥居。木造の鳥居が一般的には多いですが、金属製の物は珍しいのではないのでしょうか。

 

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勢溜の鳥居から神門通りを眺める

勢溜の鳥居は地形的に少し盛り上がったところの頂上にありますので、神門通りや宇迦橋の大鳥居を一望することが出来ます。

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出雲大社の参道は全国的にも珍しい下り参道

参道を下ると祓橋(はらえのはし)、三の鳥居と続きます。

三の鳥居を抜けると日本の名松100選に選ばれている松並木が続きます。参道は中央と両側の三つに分けられ、中央は神様の通り道ということで、昔は神職や皇族の方以外は通行できませんでした。現在は松の根の保護のために中央は通行できないので、端を歩くことになります。

そんな有名な松並木とは知らず、素通りしてしまった…。

 

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大国主大神の「ムスビの御神像」

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左手には「御慈愛の御神像」

境内の入り口手前、右手には出雲大社主祭神大国主大神の「ムスビの御神像」、左手には「御慈愛の御神像」があります。 

大国主大神をおまつりする出雲大社

出雲大社主祭神である大国主大神は、多くの兄弟の末っ子として出雲に生まれました。大きな袋と打出の小槌を持って米俵の上に立つ「だいこく様」の姿でも有名です。
神話では「因幡の素兎」が有名で、サメに全身の皮を剥かれた白ウサギが、大国主大神の兄達から“海水に浸かり風に当たれば治る”と教えられ、そのとおりにしたところ傷は酷く悪化してしまった。ウサギが痛みで泣いているところを遅れてやってきた大国主大神がやって来て、“真水で塩を洗って蒲(ガマ)の穂に包まれると良い”と教えたところ、ウサギの傷が癒えたというお話で、大国主大神の優しい性格がうかがえる一幕です。
大国主大神は出雲王朝を繁栄させるという偉業を成し、多くの女神と結婚してたくさんの子供をもうけました。大国主大神が縁結びの神様と言われる由縁でもあります。

 

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四の鳥居の銅鳥居

四の鳥居は青銅製で、1666年に毛利元就の孫の孫にあたる毛利網広が寄進したもので、国の重要文化財に指定されています。

写真をよくわかると思いますが、参道が本殿まで真っ直ぐ伸びておらず、四の鳥居をくぐったところで少し参道が曲がっているのが特徴。参道が本殿まで真っ直ぐ伸びている神社が一般的に多いと思いますが、このように少しずれたところに本殿があるというのも珍しいと思います。

 

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拝殿

1963年に新築された拝殿は、戦後最大の木造神社建築だそうです。高さは12.9mで、大社造りと切妻造の折衷様式となっており、ご祈祷や奉納行事などに使用されることが多いようです。しめ縄が一般の神社とは左右逆なところにも注目すべきだそうで…私には一般的なしめ縄の向きが分からないので、これが左右逆さと言われましても…という感じです(笑)

 

ちなみに出雲大社の参拝方法は一般的な神社と少し異なり、二礼二拍手一礼ではなく二礼四拍手一礼です。拍手の数が二回多いんですね。境内には四回手を叩く、珍しい光景が広がります。

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八足門

御祭神に最も近づける門で、通常はここから本殿を参拝することになります。本殿と八足門の間には楼門があり、正月五カ日は八足門が開放されて楼門前まで入る事ができるようで...。

私が訪れたのはバリバリ夏休み期間中でしたが、観光客の姿はまばらでそこまで混んでいるという印象は受けませんでした。写真のような他の参拝客が一切いないようなことは珍しいと思います。これもコロナのせいだと思うと、観光業界への大きなダメージは測りしれないのでしょう。

 

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本殿

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本殿(別の角度から)
大社造りと呼ばれる日本最古の神社建築様式です。1744年に再建されたもので、平成の大遷宮で大屋根や千木などが新装されました。高さは約24m、厚い桧皮葺きの屋根の棟の上には長さ7.9mの二組の千木が交差しています。
御神体稲佐の浜のある西の方角を向いて鎮座されているので、本殿正面からは神様を横から参拝する形になります。
かつてこの本殿は高さ約100mもあったとされており、かなり昔の建築技術で建てていることになりますから、感服の思いです。次の何かの修理の際に当時の高さに復元していただきたいような思いもあります。
 
 
本殿の周りは一周することができるので、様々な角度から本殿を探訪することが出来ます。

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ウサギ視点から本殿を眺める
因幡の白兎伝説に基づいて本殿の周りには小さなウサギの石像が並びます。大国主大神に感謝の印を示しているのでしょうか。可愛らしい見た目をしてるので、写真映えスポットです(笑)
 

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彰古館

本殿の周りには彰古館などの建物が本殿の周りには立ち並びます。

写真は彰古館(しょうこかん)で、境内北西の隅に建つ木造二階建ての建物です。登録有形文化財に指定されており、1階にはだいこく様と恵比寿様の像が展示され、2階には出雲大社の信仰に関する資料が展示されています。

 

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楽殿

巨大なしめ縄が印象的なこの建物は神楽殿で、祭典、祈願、結婚式などが行われるところです。大広間は270畳式の広さがあり、神社建築には珍しく正面破風の装飾にステンドグラスが使われています。正面には日本最大級の大注連縄(長さ 13.6 m、重さ 5.2 t) があります。

楽殿の横には日本一大きな国旗があります。その大きさはなんと畳75畳分(約14 m×9 m)、ポールの高さ47mと超巨大サイズ。何気に一番この国旗が目立つ存在で、遠くから出雲大社の方向を見ると、鳥居やご本殿が見えなくてもこの超巨大な鳥居が大きく見えることも。すべてのスケールが破格です。

 

基本情報

名称 出雲大社
住所 〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東195
電話番号 0853-53-3100
HPアドレス http://www.izumooyashiro.or.jp/
お問い合わせ 午前8時30分~午後5時

 

国譲り神話のゆかりの地・稲佐の浜

大国主大神が祭られている出雲大社の近くには、大国主大神天照大御神の子息である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に国譲りをしたという伝説が残る場所が近くにあります。これは天照大御神から命を受けた武御雷神(タケミカヅチ)と大国主大神とが面会した場所ということで知られています。

これが稲佐の浜のいわれで、旧暦の10月10日には、出雲大社に集まる全国の神々がこの浜から出雲へ上陸すると伝えられ、今なお神迎えの神事が行われる出雲のパワースポットの一つでもあります。

 

この稲佐の浜へは出雲大社から徒歩で向かうことが出来ます。

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出雲大社から西へ進むと海が見えてくる

木の電柱があったりして昔懐かしい港町の雰囲気が漂うところを通ります。

 

歌舞伎のパオニア、出雲阿国の墓に立ち寄る

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出雲阿国の墓

出雲大社から稲佐浜へ向かう途中、山根の太鼓原の石段を登っていくと中村家の墓があります。出雲阿国の墓は、特別に石棚で囲った平たい自然石で作られています。
今でも、芸能関係者や歌舞伎ファンなど多くの参拝者がいるそう。ただ、一般的な墓地の中の一つの墓として存在するので少し抵抗があるかもしれませんが、観光地の一つとして知られているようです。

 

砂浜にたたずむ巨大な岩・弁天島

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弁天島

逆光で折角の海が全然写っていないのは残念。天気もそこまで良くなかったですしね。ここは快晴のときに来たかったかな。それはさておき。
弁天島は地元では「べんてんさん」と呼ばれて親しまれている島で、かつては稲佐湾のはるか沖にあったため、沖ノ御前、沖ノ島と呼ばれていました。1985年ごろまでは、島の前まで波が打ち寄せていましたが、近年急に砂浜が広がり、現在では島の後まで歩いて行けるようになりました。

 

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豊玉毘古命(トヨタマヒコノミコト)が祀られている

神仏習合の頃には「弁財天」が祀られていましたが、明治のころから豊玉毘古命トヨハマヒコノミコト)が祀られています。

 

夏には海水浴も楽しめる!

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夏には海水浴も楽しめる

弁天島の存在がかなり印象的な稲佐の浜ですが、夏には海水浴も楽しめるスポットでもあります。出雲大社から徒歩圏内ですので、出雲大社に参拝してから海水浴、なんてこともできちゃいます。

 

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懐かしい雰囲気の町並みが広がる

帰り道は行きとは違う道で戻りました。そんなときに発見したのがこの道。稲佐の浜から少し南に進んだところにある道で、どこか懐かしい感じの雰囲気が広がるところです。

 

お泊りは大社温泉で

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天然温泉大社の湯「いにしえの宿 佳雲」「お宿 月夜のうさぎ」

出雲大社周辺にはいくつか温泉付きの宿泊施設があります。

シンガーソングライターの竹内まりやさんの生家である竹野屋などの歴史的な旅館のほか、写真の天然温泉大社の湯「いにしえの宿 佳雲」「お宿 月夜のうさぎ」などのような比較的新しい温泉旅館もあります。

私が宿泊したのは天然温泉大社の湯「いにしえの宿 佳雲」。「お宿 月夜のうさぎ」とは館内の渡り廊下で繋がっています。「佳雲」は格調高い大人向けのリッチな感じ。「月夜のうさぎ」はどちらかと言えばファミリー向けの旅館となります。お風呂は共有ですので、「佳雲」に宿泊したとしても「月夜のうさぎ」に宿泊している子供と共に入ることになるので、その辺りは「佳雲」のブランドイメージから離れるところであり、少し残念に感じたところではあります。

共立リゾートが運営しているため、湯上りにアイスキャンディーや乳酸菌飲料、夜食にラーメンが食べられるサービスなどかなり満足いくと思います。料理に関しては神前食がイメージされたものが提供されました。

 

出雲旅行に際して

出雲と言えば出雲大社、と一般的に考えられる方も多いでしょうが出雲大社を中心に発展してきたところが沢山ありますので、出雲大社参拝以外にも十分楽しめる観光地ではないでしょうか。全体的な所要時間(宿泊を除く)はゆっくり周っても約6時間程度。大阪などの大都市圏からは少し遠いですが、一度は訪れるべき甲斐があると思います。是非、訪れてみてください。

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