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【車内】「ゆったりやくも」はゆったり過ぎた! 2020/8/5-7 島根②

※本文中の情報は取材日のものです。できるだけ最新の情報に更新するよう努めてまいりますが、お出かけの際には各自で最新情報をお調べいただきますようお願い申し上げます。

岡山と島根県出雲市を結ぶ特急「やくも」号。そんな「やくも」は数少ない国鉄型特急電車が使用される特急列車として知られています。今回はそんな「やくも」の紹介です。

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「やくも」で使用される381系

目次

 

381系ってどんな電車?

「やくも」で使用される381系には自然振り子式というカーブを通過する際に車体を傾斜させることで速度を落とさなくても通過できるという特殊な機構を有しています。しかし、そのような特殊な機構を搭載した車両でしか「やくも」の運用をこなせないことから、381系は登場から約40年近く経過した今でもなお使用され続けています。

381系電車は「やくも」のほかにも「しなの」や「くろしお」などで使用されていましたが、現在ではこれらの列車に関しては後継の新型車両に置き換えられ381系が使用されるのも「やくも」のみとなってしまいました。

 

ゆったりやくも」改造で車内は超快適に

民営化直後からJR西日本では381系に対してリニューアル工事を施工していましたが、2007年から2011年にかけて「ゆったりやくも」改造が施されました。車内を中心に改造され、座席を683系と同等型のものへ交換とセミハイデッカー化、和式トイレの洋式化および女性用トイレ、男性小用トイレの設置、喫煙室の設置(2009年6月1日廃止)などが行われました。

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ゆったりやくも」に改造された車両には謎のキャラクターのステッカーが貼られている

改造が終了した車両に対して大山の冠雪の「白」と出雲大社の巫女の「赤」をイメージした、リニューアル後の「くろしお」号と近似した塗装パターンのものに変更されています。

 

グリーン車ビジネスクラス

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グリーン車の車内の様子

グリーン車に入ると暖かな暖色系の雰囲気の車内が向かい入れてくれます。まさかこれが40年選手の特急電車の車内だなんて誰も疑いません。新型車両とあまり遜色ない雰囲気です。JR西日本の特急電車の車内の雰囲気づくりの上手さにはいつも感服します。

 

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2人掛けのグリーン座席

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1人掛けのグリーン座席

グリーン車は2+1人掛けの横3列になっています。リニューアル前のグリーン車は2+2人掛けの横4列だったので、一人当たりのスペースが拡大されゆったりとしています。座席自体は683系などと同じものでどっしりとした椅子です。硬さも柔らかすぎず硬すぎずちょうどいい、よく眠れますよ。ちなみに二人掛けの座席のひじ掛けを上げて使うことはできません。

 

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テーブルはインアーム式の大型の物を備えている

テーブルは座席の背面ではなくインアーム式。ですが、コップとおつまみしか置けないような小型のものではなく大型のしっかりとしたテーブルです。駅弁も広げて食べるには十分なサイズです。テーブルの出し入れの際の指詰めには注意が必要ですね。

椅子全般の印象は飛行機の国内線のビジネスクラスと言ったところでしょうか、飛行機のビジネスクラスなんて一回も乗ったことはありませんが...。

 

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全ての座席にフットレストが装備されている

グリーン車ですので全ての座席にフットレストが装備されています。一般的に写真の左のフットレストグリーン車の四つ葉のクローバーがあしらわれていますが、車両の構造上、フットレストが装備できない席には写真右のオットマンが置かれています。オットマンは荷物棚の上に置かれていますので、座った座席にフットレストがない場合には荷物棚を見てみてください。

ちなみに写真に写っているコンセントはおそらく清掃用の物でお客様用ではないので使わないように。もし、携帯やパソコンの充電でどうしても使いたい場合は乗務員さんに聞いてみてください。

 

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車端部の荷物棚には毛布が準備されている

普通車をグリーン車に格上げ改造しているので、窓割と座席の配置が合っていませんし、車端部には写真のような謎めいた空間があります。机とするか、荷物置きとするかはあなた次第。もっとも大きなインアーム式のテーブルがあるので机として使用する必要はないと思いますが...。

毛布が車端部の荷物棚に準備されているので寒い時や寝るときに自由に使うことが出来ます。私が乗車したのは日中の最高気温が30℃を超えるような日だったので、必要ありませんでした。

ちなみに、クーラーの効きがあまりよくなかったので、窓割と座席が合ってないことと合わせて少し残念なところでした。反対にそれ以外については文句なしです。

 

JR特急のなかでもトップクラスの普通車

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普通車

往路はグリーン車、復路は普通車を利用しました。ただし、復路に関してはそれなりの利用率だったので車内の様子はあまりよく撮れず…仕方がないので往路で撮影しておいたものをご覧ください。

普通車の車内はグリーン車同様「ゆったりやくも」リニューアルの際にセミハイデッカー化されています。椅子は683系と同等のものが装備されていますが、少し改良が加えらえており、更に座り心地か良くなっています。椅子に包み込まれるような座り心地。思わずうとうとしてしまいました。帰りに岡山で乗り換えたN700A系の椅子が板のように感じられてしまうぐらい普通車でも超快適。決してN700A系の椅子も悪くないと思うのですが...群を抜いてJR西日本の特急列車でも快適な部類に入ると思います。

ただし、こちらもグリーン車同様にシートピッチを改良している結果、目の前が柱という残念シートがちらほらあります。残念シートを避けながら指定席を購入するのは至難の業なので(窓に対する全ての座席の位置が微妙に違う)、実際のところ運次第です。グリーン車からの格下げ改造車は少しマシかと思いきや、グリーン車よりも少しシートピッチが狭くてどんどんとズレていくという…なんとも言えない感じだそうです。

あと追記しておくと、福知山や日根野からの転属組が一部混じって運用されており、それらの車両は簡易アコモ改良車。昔懐かしい特急電車の雰囲気が楽しめますが、その代わり乗り心地は「ゆったりやくも」に比べると少し劣ります。塗装は「ゆったりやくも」と同じものを纏っているので注意が必要です。

 

改装されていて清潔感のあるトイレ・洗面所

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木目調のデッキ

デッキは木目調のシールで仕上げられています。車内に入った瞬間、少し心がどこか落ち着くような穏やかな雰囲気。車内に足を踏み入れた瞬間から「ゆったり」した旅の始まりです。

 

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トイレ

トイレは洋式に改装されいて使いやすくなぅています。清潔感もバッチリです。ベビーチェアなんかもあって便利。強いて言うならば車いす対応トイレがない点が残念ですが、40年選手の車両にそこまで求めるのは無理でしょう。

 

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くずもの入れ

徹底的に改装されている「ゆったりやくも」の車内ですが、くずもの入れに関してはそのままのものが使用されています。国鉄時代を感じさせる表記が特徴です。木目調の落ち着いた車内とマッチしているというか、ミスマッチというか…骨董品の車内インテリアとして良い趣を出していると筆者は思いますよ。

 

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洗面所

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洗面台

洗面所や洗面台は元々のものから大きく変更されていて使いやすく、更には清潔感があるものとなっています。ホテルの洗面台と言われて騙せそうです(笑)。鏡が三面鏡になっているのがナイスですね。

 

乗ったら乗り物酔いしてしまうの?

 洗面所の2枚目の写真の左下に袋のようなものが写っているのにお気づきでしょうか?

実は「ゆったりやくも」にはエチケット袋が装備されているのです。

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エチケット袋

これは「ゆったりやくも」になる以前から取り付けられていたもので、「やくも」号を始めとする381系特急電車に乗車すると気分を悪くされるお客様があまりにも多いから取り付けられたもの。これは、前述の通り381系には自然振り子装置が取り付けられていてカーブに差し掛かると自動的に車体が傾斜するので、日常普段感じることのない揺れを体感することになり、船酔いのような感覚に陥ります。

私は普段乗り物酔いを一切しないので何もせずに普通に乗り込みましたが、普段乗り物酔いしやすい母は酔い止めを服用して車内でも極力寝ているようにしていました。その結果、母は乗り物酔いを一切せずに快適に過ごせたようです。もちろん、私も酔わずに快適な旅を楽しむことができました。

もし、乗り物酔いをしやすいような体質の方で「やくも」に乗車される場合は、乗車前委に酔い止めを服用して、車内で食べたり飲んだり動き回るようなことは極力せずに寝ていることをお勧めします。どうしてもの場合は洗面台横のエチケット袋のお世話になりましょう。お守り代わりにエチケット袋を自分の座席に持っていくのも、気分的に良いかも知れません。

 

自然豊かな景色を楽しむ!

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日野川に沿って走る

特急「やくも」が走る伯備線岡山県内は高梁川に、鳥取県内では日野川に沿って走っているので、ほぼ全線にわたって中国山地の景色を楽しむことが出来ます。

絶景というわけほどではありませんが、日本の自然豊かさを最大限に感じさせられます。そんな景色を「やくも」の車内からゆったり眺められ、贅沢な時間が広がります。

 

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宍道湖

島根県内では宍道湖のほとり走るので、山陰を代表する湖の景色を楽しむことができます。

山あり谷あり湖あり。移り変わる景色に目が離せません。

 

島根や岡山へ行かれる際にはぜひゆったり快適な「やくも」号を利用されてはいかがでしょうか?

 

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