【観光客減少】奈良の鹿は危機的状況なのか? 2020/3/26 奈良①
新型コロナウイルス流行に伴い、日本への入国が制限されています。そのため、訪日外国人が減少し、観光業に大きな打撃を与えています。
私は、先日紹介した伏見稲荷大社に引き続き奈良へ行ってきましたので、奈良の現状についてリポートしていきたいと思います。今回は奈良公園に生息している鹿は観光客減少に伴いお腹を空かせているのか?という点に着目して紹介したい思います。
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目次
奈良公園の鹿とは
767年に春日大社が創建された際にその由来で主神の建御雷命(たけみかづちのみこと)が鹿島神宮から遷る際に白鹿に乗ってきたとされ、神鹿(しんろく)と尊ばれるようになりました。氏社参詣の藤原氏からも崇拝の対象となり、人間が鹿に出会うと神の使いとして輿から降りて挨拶しました。これが続いて、鹿もお辞儀の習慣を覚えたという説があります。
市街地で野生のシカと人間が共存している場所はほとんどありません。そのためか、奈良では鹿に関するお土産が沢山販売されています。
鹿せんべいを買って鹿と触れ合おう
鹿せんべいは奈良公園の色々なところに屋台が出ていますので、そこで買うことが出来ます。一律200円であり、どの店でも同じせんべいなのでどこで買っても同じです。一番身近なところにあるせんべい屋で購入するのが良いと思います。この鹿せんべいで得た収益の一部は鹿の保護活動費として使用されます。
せんべい屋の周りには沢山の「待ち鹿」がいます。屋台で買った観光客にせんべいをおねだりするためですね。鹿は基本的に人に危害を加えることはありませんが、いつまでも食べさせなかったり無理やり鹿と写真を撮ろうとするなど、鹿を焦らせたりして怒らせた場合には攻撃をされることがあります。また、出産直後のメスや発情期のオスはこの限りではないので注意が必要でしょう。
鹿せんべいを束ねている紙のひもですが、この紙は鹿が食べても大丈夫な紙です。しかし、一般的なコピー用紙やパンフレット類は消化されにくいので食べさせるのはやめましょう。もちろん、ビニール袋などプラスチックは消化させず毎年沢山のシカが命を落とす原因の一つにもなっています。更に、食用のせんべいなど鹿せんべいとして売られているもの以外のせんべいもあげてはいけません。鹿が間違ってごみを食べてしまってはいけないので、奈良公園で出たごみは責任をもって持ち帰るか指定のごみ箱に捨てましょう。
鹿せんべいを買う観光客が減少して鹿はお腹を空かせているのか?
毎年沢山訪れる観光客から沢山の鹿せんべいをもらう奈良の鹿ですが、観光客減少に伴いお腹を空かせているのでしょうか?
答えはNO。おいしい草や落ち葉を食べて、休憩しています。危機に瀕しているという状況ではないようです。それもそのはず、鹿せんべいは鹿たちにとっては主食ではなく「おやつ」です。主食は草や枯葉です。最近はせんべいをもらいすぎておやつを食べすぎていたのですね。
こちらはせんべい屋の横でせんべいを待ちながら体を掻いているようです。
いくら、草が主食でせんべいがおやつであっても普段なら有り余るほどもらえるおやつですから、恋しくなるのもよくわかります。鹿せんべいを買った人には大量のシカがまとわりつきます。鹿せんべいを持つとその人の周り一面は鹿だらけ。逃げると追いかけまわされます。草はたくさん生えているので食べ物が無いというわけではありませんが、おいしい鹿せんべいの方が好きなんですね。そのような光景は何度も目にしました。肖像権の関係でブログでは紹介することが出来ませんが…。
町中に出ると街路樹の鹿が届く範囲の葉はすべて食べつくされています。周りに沢山の糞が落ちている木も。鹿を町中で見かけることはなかったですが、奈良公園から鹿が出てきているのは確かです。
奈良の鹿は野生なので自由に動き回ることが出来ます。そのため、写真のように道路を横断する様子も見られます。毎年、沢山の鹿が交通事故で亡くなっています。車を奈良市内で運転される際には鹿に要注意です。鹿にとっても人にとっても、鹿が奈良公園を出て町中を歩くのはあまり好ましいことではないのです。
まとめ
観光客が減少し、鹿せんべいを買う人の数が減っているのは確かです。ですが、鹿の主食は草。鹿せんべいはおやつです。鹿は危機的状況というわけではないですが、鹿にとって鹿せんべい不足ではあるようです。お腹が空いて狂暴化しているという噂もありましたが、そんなことは一切なく、鹿は平常運転です。鹿せんべいを買うとせんべいを求めて集る鹿の数が普段よりもかなり多いというだけです。
次回は奈良の観光スポットを紹介予定です。
ギャラリー
鎖をかむ鹿を見かけることがあるが、これは鉄分を鎖から得るため。
今は毛が生え変わる季節のようです。