【最高速度431km/h】上海浦東空港から市内へ超高速でアクセスする上海トランスラピッドに乗ってみた 2019/11/23
※ライブドアブログ「みやこ路のシティライナー 鉄道日記」に投稿した記事を再編したものです。
目次
研修で中国に行った際に乗車したリニアモーターカーの紹介です。空港から上海の市内に向かう際に利用しました。
最高速度431km/hで走る上海トランスラピッド
上海トランスラピッド(上海マグレブトレインとも言う)は上海市郊外の竜陽路駅から浦東国際機場駅を結ぶ路線です。簡体字では上海磁浮示范运营线、繁体字では上海磁浮示範運營線(日本語訳は上海磁気浮上式鉄道実証運転線)と書きます。最高速度は431km/h、鉄道では世界最高速度です。建設は2001年3月1日に開始され、2004年1月1日に商業運行を開始しました。また、2003年11月12日の非商業運行の試験走行で中国での最高速度記録である501km/hに到達しました。
上海浦東国際機場から上海トランスラピッドに乗ってみよう
浦東国際機場駅から乗車したのですが、空港の制限エリアを出てからこのような看板が要所要所にあるので迷わずに行くことができます。中国語では磁浮、英語ではMaglevと書かれています。
これがリニアモーターカーの改札口です。向かって右側に窓口があるので切符をそこで購入します。改札口を通るときに手荷物検査と身体検査があります。飛行機搭乗前の検査のようですね。
ICカードになっていて乗車するときはタッチし、下車するときは自動改札機に入れるようになっています。日本の切符は使用するとごみになってしまいますが、このカードは再利用しているようなのでエコですね。日本と違って駅員さんにお願いしても切符を持ち帰ることはできないと思います。料金は往復で80元、片道は50元(当日の航空券があれば40元)です。同じ区間を走る地下鉄は4元ほどなのでかなり高いです。
建国70周年が間近だったためか中国の国旗が沢山掲揚されていました。
A番線から乗車しました。発車時間間際になるまでホームに入れないため、コンコースのベンチでしばらく待つことになります。乗車時間が近づくとゲートが開けられ、順番にホームに降ります。
車両の外観
車両の外観はこんな感じ。車体の高さが非常に低いのが特徴です。どこか近未来的なデザインですね。
超高速で走る割にノーズ(先頭の尖っている部分)がE5系新幹線やN700系新幹線に比べて短いような気がします。それもそのはず、鋭いノーズは空気抵抗を抑えて使用するエネルギーを削減する効果よりも、トンネルを出る際にトンネルの空気圧の変化で大きな衝撃音を防ぐ効果の方が大きいからです。つまり、走行区間にトンネルの無い上海トランスラピッドはそこまでノーズを鋭くとがらせる必要はないわけです。
ドアごとに車掌さんが開閉します。そのため個別にドアを開ける、閉めるの操作が可能です。
上海マグレブトレインのロゴ SMT
短時間の乗車には勿体ない快適な車内
座席はリクライニングしない固定式クロスシートでしたが、座り心地はかなり良かったです。集団見合い式(座席を転換して進行方向に向けることが出来ないので、半分が逆方向を向いているため集団が向かい合っているように見える)になっていますが、車内はかなり空いているので進行方向に向かった座席に座ることが出来ました。車端部には大型の荷物置きが設置されています。さすが空港と市内をアクセスする列車だけありますね。
乗車時間たったの約7分ではもったいないような座り心地です。
営業最高速度は431km/hですが、乗車した列車は300km/hまでしか出しませんでした。ぜひとも431km/hの走りを体感したかったので残念。
個別に読書灯が取り付けてありました。約7分の乗車時間で本がどの程度読めるのかは知りませんが。車掌さんの呼び出しボタンもついています。
空港と反対側の終点である竜陽路駅は上海市内からかなり離れており、市内に行くためには地下鉄に乗り換えが必要です。そのため、上海トランスラピッドは空港アクセスのための交通機関というより中国が国外に向かって自国の技術力をアピールするための鉄道というような印象を受けます。少し不便で利用しづらさもありますが、上海浦東空港を利用される際は一度乗車してみてはいかがでしょうか?